2013年11月29日
山口県埋蔵文化財センターでは、鋳銭司地区の治水事業に伴い、本年度、東禅寺・黒山遺跡での発掘調査を実施しています。
このたび、11月23日(土)午前10時より現地説明会を行いました。当日は好天に恵まれ、40名を越える多くの方にお越しいただきました。
まず、今回の調査で確認された、平安、鎌倉、室町時代の遺構、中世の掘立柱建物跡、土坑、溝、井戸などについて、実際に遺跡内に設定した順路を歩きながら各遺構ごとに説明を行いました。また、出土したそのままの状態で残しておいた土器・陶磁器・鉄製品なども見学していただきました。最後に、テント内に展示した、今回出土の土師器や須恵器、県内でも出土例のほとんどない中世のほぼ完全な形の小柄(こづか)、瓦質土器などを年代ごとに紹介しました。
お越しいただいた方々からは、土器が実際に出土した状態で見学できたのがとてもよかったといった感想や、埋蔵文化財への関心の高さを感じる熱心なご質問などを頂戴し、盛会のうちに見学会を終えることができました。
たくさんの方にご参加いただき、誠にありがとうございました。この場をお借りしてお礼を申し上げます。
2013年11月15日
山口市立二島小学校に、出前授業に行ってきました。6年生1クラス(14名)を対象に実施しました。
前半はクイズ形式で児童の皆さんと会話を交えながら授業をすすめました。縄文・弥生時代からはじまり、秋穂二島地域の歴史もおりまぜて話をしていきました。遺跡で発見される遺物に興味津々で、特に獣骨(イノシシの頭骨)や貝類を提示すると、食い入るように見つめ、多くの発言をしてくれました。前半のまとめでは、遺跡や埋蔵文化財の性質や文化財専門員の役割についてふれ、山口県埋蔵文化財センターの紹介もさせていただきました。
後半は県内各地の遺跡から出土した遺物を児童の皆さんが見たり触れたりする、観察活動主体の授業をすすめました。土器や石器から昔のくらしを想像したり、土器の装飾模様の緻密さに関心を示したりと、児童の皆さんそれぞれが関心を深めてくれたことが感じられました。切子玉や管玉などの装飾品や石鏃(矢じり)の原石である黒曜石は特に人気で、美しさに目を奪われていたようです。
熱心に遺物を観察していく中で、たくさんの質問してくれたり、お互いに意見交換したりする様子もみられ、たいへん有意義な活動をすることができました。近辺にある遺跡や出土した遺物に、とても興味を持ってこの授業に参加してくれた児童もおり、遺跡や文化財の周知、啓蒙、問題解決にむけて、私たちの役割の重要性を再認識できた活動でもありました。
最後に、今回の授業で、興味・関心が深まった二島小学校の児童のみなさんが、センターの展示を見に足を運んでくれることを願っています。
二島小学校で出前授業の機会を頂いたことに感謝いたします。また、6年生の担任の先生には活動をサポートしていただきました。本当にありがとうございました。