2015年9月 2日
“光る個性”の女子大学生 ~ 古墳時代の「アクセサリー」展示実習に挑む ! ~
お盆明けの8月17日(月)~21日(金)の5日間、女子大学生6名を受入れて『資料展示活用講習』を実施しました。山口県内出土の古墳時代の首飾り〔勾玉(まがたま)・管玉(くだたま)など〕や耳飾り〔金環(きんかん)・銀環(ぎんかん)〕などの「装身具(そうしんぐ)」と現代のアクセサリーとの意識の違いをテーマに、「ミニ展示コーナー」を設営する展示実習に取り組み、試行錯誤を経てようやく完成させました。
第1日は、まず、遺跡出土の装身具の概要を講義や実物に直接触れることによって理解してもらいました。第2日以降、ブレーンストーミングなどのディスカッションや勾玉づくり体験などによって、玉つくりがいかに大変な作業であり、それら貴重な品々が、古墳時代には「権力の象徴」である財物〔威信財(いしんざい)〕としての役割と意味を持っていたことの認識を深めました。これら古墳時代の装身具と「個性の表現」としての意味合いが強い現代の身近なアクセサリーとを比較する視点を軸にすえて、テーマ展示を企画することを実習生同士の話し合いで決定しました。
その上で、中学生相当の目線で分かりやすく親しみやすい展示を目標にしました。展示品を実習生で一緒に選択し、陳列方法のアイディアを出し合ったり、説明パネルの文案やフローチャートの表現を考えました。また、可愛いイラストのキャラクターや歴史年表、玉類・耳環(じかん)の写真を盛り込んで思わず手に取って見たくなる展示用ミニパンフレットも作成しました。
埋文センター職員のさまざまなアドバイスを受けながら、実習最終日の第5日の午後にやっと展示コーナーが完成したときには、実習生チーム一体となった達成感に満ち溢れた笑顔が弾けました。
実習を通じて、埋蔵文化財や当センターの普及活動の実践を学び、学芸員の資格取得やデザイン関係の仕事をめざすなど将来の目標に向けての貴重な実体験を積むことができたという感想を残して、それぞれ大学の学び舎に帰って行きました。
若い感性とユニークなアイディアで表現した実習生ミニ展示制作『示せ権力! 光れ個性! ~古墳時代と現代の装身具~』をぜひご覧いただきたく、山口県埋蔵文化財センターまでお越しください。