2014年12月11日
巡回展(周防大島会場)で講演と展示解説を行いました
今回の巡回展「発掘された山口」は、周防大島町の周防大島文化交流センターを会場として、12月4日(木)から21日(日)にかけて開催しています。
12月7日(日)には、記念講演会と展示解説を行いました。記念講演会は、「埋蔵文化財からみた山口県の中の周防大島町-厨子(ずし)遺跡(いせき)・厨子(ずし)南遺跡(みなみいせき)の調査成果を中心に-」と題して、近年、周防大島町で発掘調査された厨子遺跡と厨子南遺跡を中心にスライドを使って解説を行いました。その中で、これらの遺跡が、周防大島の海上交易や祭祀を考える上で重要であることをお話しました。そのほか、奈良時代の都の跡である平城京跡では、周防大島産の塩が納められていたことを示す木簡が多くみつかっていることにも触れ、今後塩つくりに関する遺跡が発見される可能性があることを述べました。
また、展示解説では、地元の厨子遺跡で発見された土器や遺跡の写真パネルをご覧いただきました。
師走の繁忙期のせいか、参加者は期待したよりは少なかったのですが、熱心な方が多く、闊達なご質問やご意見をいただき、こちらも実りのある時間を過ごせました。ご意見の中には、周防大島でみつかった遺物は、将来地元で引き取りたい、というものもありました。この機会にできるだけ多くの方々にお越しいただき、地元からこうした機運が盛り上がるのも喜ばしいことかもしれません。
残すところ、あと2会場となりました。次回は、長門市で平成27年1月上旬から下旬にかけて開催の予定です。県内各地の埋蔵文化財をすぐそばで目にできる年に1度の機会です。ぜひ足を運んでみませんか。(岡田)