2009年8月28日
8月28日(金)、光市文化センターからの依頼を受けて、土器復元実習を行いました。会場は、当埋蔵文化財センター1階の整理室。
この実習は、光市文化センターが主催する土器復元講座の一環として計画されたものです。将来的に光市内で出土した土器について、自前で整理できるようになるとともに、広く埋蔵文化財の保護と活用に対する理解を深めることが目的です。
参加者は、11名。実習は、土器の洗浄から始まり、接合、石膏入れを行いました。「どの作業も思ったより大変で、根気が必要。」とは、ある参加者の声。でも、整理室スタッフの懇切な指導も良かったのか、土器の形がしだいにできあがってくると、参加者の顔にもようやく笑みが・・・。その満足そうな表情が、とても印象的でした。
土器復元は、経験が必要です。これからもチャンスがあれば、積極的にトライして、早くそのノウハウを習得できるといいですね。
2009年8月21日
お待たせしました。「まんよう」久しぶりの更新です。
新年度も4ヶ月が過ぎました。大雨や梅雨の長雨に悩まされながらも、現場からは続々と遺物が出てきています。
整理室では上関町田ノ浦遺跡と防府市上り熊遺跡から出土した遺物の接合&復元などをしています。でも、田ノ浦遺跡の出土遺物が多くて、机の大半を占めている状態・・・。
午前中は土器の洗浄、午後は田ノ浦遺跡の遺物を接合、補強といった作業を毎日繰り返している日々です。
そんな中、整理室にNewアイテムが・・・!!(写真) ピックアップされた遺物を入れた整理用カゴを重ねていれる棚なんですが、その名も“こぼうずさん”。遺物を出土場所別や種別ごとに小分けできるし、縦型の棚に収納することで、省スペースですね。小坊主のようにちょこまかと働いてくれて、これからの仕事に活躍してくれそうです。 (み-)
2009年8月12日
さて。一言で接合といっても、その対象となる土器は、底部や口縁部など一部分しか破片がないものから、1個体分の破片がほとんどそろっているものなど、さまざまです。今回は、ほとんどの破片がそろっている土器をどのように接合していくか、その過程を写真で紹介したいと思います。
なお接合の注意点として、細かい破片がたくさんあるほど、接合する時に本来の土器の形や曲面を意識しておかないと、ちょっとした接合のズレが原因で最終的にはおおきな歪みとなってしまうことがあります。常に接合した部分が土器の元の形に近いかを確認しながら慎重に接合します。
写真A
ある程度の大きさまで破片を接合すると、いよいよ土器を本来の形に組み立てていきます。方法としては、底部から組み立てたり、口縁部からだったり、何パターンかありますが、土器の特性(平底や丸底など)や私たちの得意不得意だったりで、臨機応変に組み立てていきます。
この土器の場合、器高(口縁部から底部までの高さ)が19cmと、小さめの為、口縁から底部までの破片を3分割にして接合する事にしました。
写真B
全て接合してみると・・・。
写真C
何ヶ所か、破片の足りないところがあるようですね。その箇所は、どうしても強度が弱く、せっかく接合したのにまた壊れることになりかねません。そこで「補強」が必要となってきます。
次回は、その「補強」について・・・。