2019年7月22日
巡回展(下関市立考古博物館)で講演会と展示解説を行いました
当センターが過去に実施した発掘調査成果を紹介する巡回展「発掘された山口」が、下関市立考古博物館(下関市大字綾羅木字岡434番地)で、令和元年6月29日(土)から8月25日(日)までの日程で開催されています。7月13日(土)に、同会場で講演会と展示解説(ギャラリートーク)を行いました。
講演会では、「埋蔵文化財から学ぶ自然災害と人びとの営み」と題して、人間の生活に恵みをもたらす一方で、時には災害も引き起こす自然との共存・共生のあり方について、埋蔵文化財を通じて考えることにしました。地震・津波、火山噴火、河川氾濫などの自然災害にかかわる発掘調査事例を紹介しつつ、地元下関市内の遺跡分布図とハザードマップを対照するなど身近で現代的な視点も織り交ぜて、過去の人びとから教訓と災害対策を学ぶことの大切さを写真や図表などのスライドを使って説明しました。また、東日本大震災復興支援派遣の実体験に基づき、災害復興と埋蔵文化財保護の取り組みの意義についても感想を述べました。
展示解説では、旧石器時代から近世(江戸時代)までの山口県内遺跡出土品を時代順に並べた展示になっていることから、各時代の特色や歴史的意義を「モノ」を通じて身近に理解し感じていただけるように、下関市内出土品に焦点を当てたり、発見のエピソードを交えたりしてお話を進めました。
次の巡回展は、令和元年9月8日(日)から10月27日(日)まで、岩国徴古館(岩国市横山二丁目7-19)で開催される予定です。下関会場ともども、ご見学いただければ幸いです。