2008年7月18日
発掘調査中です ~三見ほうろく窯跡・ほうろく茶屋跡 七~
西側斜面から出土した近世陶磁器の特徴としては、染付磁器より萩焼陶器やほうろくなどの土器の出土数が多いことです。さらに土器では三見産とみられるほうろくの破片が多く出土しています。これらは茶屋跡で使用されたものばかりでなく、隣接する「ほうろく窯跡」から廃棄されたものもあるかもしれません。またほうろく以外にも七輪などの土製容器片も出土数が多いことから、窯跡ではほうろく以外の製品も焼成していたことも考えられます。このことは今後の窯跡調査によって明らかになるでしょう。
陶磁器以外では、今までのところ火打ち石、寛永通宝、鉄製品、銅製品、土人形などが出土しています。これらの遺物は、染付磁器からみて18世紀後半から幕末のものと考えられ、茶屋跡が営まれた時期を考えるヒントとなります。