2008年11月25日
つれづれ 七 ~接合④~
前回の答えは①のセメダインCなどの接着剤でした。スーパーの文房具売り場でもよくみかける一般的な接着剤で、特殊なものを使用しているわけではありません。
さて、ただ接着剤をつけただけでは、固まるまでに歪んでしまい、うまく組み上げることはできません。そこで活躍するのが「ピンチ」です。
接着剤をつけた土器の破片同士をピンチで固定することによって、接着剤が固まるまでズレたり歪んだりするのを防ぐわけです。ピンチはアルミでできているものを使います。それは軽くしかも挟む力があります。そして少し手を加えることで、歯の形や角度を変えることができるのです。接合するときの破片は直線的ではなく、微妙なカーブを描く場合が多くあります。そのため固定する道具もそれにあった微妙な接地面が必要となってきます。これはなかなか既存のものではありませんが、アルミ製ピンチはこの調整が比較的簡単にできるのです。このほかクリップなども利用して接合面のズレがないようにします。
でも最初はなかなかうまくいきません。せっかく接合したと思ったのに、わずかにズレたり、歪んだりすることはよくありました。その時はまた接着剤を溶剤ではずして最初からやり直しです。でもやっていくうちに破片のどこを挟んだり固定したりするとズレにくいかということが、何となくわかってきます。何事も経験ですね。
このほか固定する道具として、粘着力の弱いテープ(粘着力が強いと土器の表面が剥がれてしまう)や紐など、私たちのまわりにある道具をうまく使いながら、元の形に近づくように土器を接合する毎日です。
(写真:接合に使うピンチやクリップ)