2017年2月13日
阿弥陀寺(あみだじ)現地説明会を開催しました
山口県埋蔵文化財センターでは、上坂本東大川の砂防ダム設置工事に先立って、防府市牟礼にある阿弥陀寺で発掘調査を行っています。2月4日(土)には、その成果を地域の皆さまに紹介するため、現地説明会を開催しました。心配されていた天候にも恵まれ、約110人という大変多くの皆さまに参加していただきました。
阿弥陀寺は中世の山林寺院で、発掘調査で僧の住まいである僧(そう)坊(ぼう)跡と推定される、基(き)壇(だん)をもつ礎(そ)石(せき)建物のほか、石段や石垣、門の礎石、池状遺構がみつかりました。説明会では、石段から門を通って建物に至るという順路で説明しました。石段を上るとみえてくる石積みの基壇に、参加者の皆さまは一様に驚いておられるようすでした。
最後は、建物のさらに上の方から、遺跡全体と防府平野を一望していただきました。参加者の皆さまには、なぜ阿弥陀寺がこのような山の中腹に建てられたのだろうか、当時の防府平野はどのようにみえたのだろうかなど、いろいろと想像をふくらませていただけたことと思います。
この度の発掘調査は2月で終了しますが、県内でも著名な阿弥陀寺で、詳細の不明であった僧坊の1つがみつかったことで、地域の歴史に新たな1ページが加わることと期待しています。