2010年8月 5日
暑い日が続きますが、皆様いかがお過ごしですか?
発掘現場も本格的に活動をはじめています。
復元室も何かしら忙しい日々です。
今回は、私が「ネーミングマシーン」と勝手に呼んでいる機械を使った作業をご紹介。(正式名称はちゃんとあります)
発掘調査で取り上げられた遺物は、報告書を作成する過程で、ランク分けされます。
分けられますが、残念ながら形にならなかった、大量の土器の破片たちもちゃんと保管されています。
名無しにならないよう遺物それぞれに、どの遺跡のどの遺構から出土したものなのか、番号をつけて記入します。その数、何千点にもなります。
昔はすべて手書きだったそうで・・・文明の利器に感謝の日々です。 ( 中 )
2009年9月16日
すっかり秋らしくなりました。整理室の開け放たれた窓から入り込む風に、心地良さを感じながら、作業台いっぱいに広げられた土器の接合に奮闘中です。
今私が興味を持っているのが縄文土器の文様です。身近な自然の物(縄・貝・竹・骨など)を使って描かれた文様の独創性に心躍らされ、この土器を造った人の気持ちの一片を垣間見るような気がします。素朴ななかにもたくましさが感じ取れ、破片を手に取り、このつづきの文様はどのように展開していくのだろうかと想像をめぐらせています。
ですが、なかなか完形品がなく、完全な文様の全容を知ることができないことに、とてももどかしさを覚えます。縄文人の感性に触れながらの日々です。
(りんどう)
2009年8月21日
お待たせしました。「まんよう」久しぶりの更新です。
新年度も4ヶ月が過ぎました。大雨や梅雨の長雨に悩まされながらも、現場からは続々と遺物が出てきています。
整理室では上関町田ノ浦遺跡と防府市上り熊遺跡から出土した遺物の接合&復元などをしています。でも、田ノ浦遺跡の出土遺物が多くて、机の大半を占めている状態・・・。
午前中は土器の洗浄、午後は田ノ浦遺跡の遺物を接合、補強といった作業を毎日繰り返している日々です。
そんな中、整理室にNewアイテムが・・・!!(写真) ピックアップされた遺物を入れた整理用カゴを重ねていれる棚なんですが、その名も“こぼうずさん”。遺物を出土場所別や種別ごとに小分けできるし、縦型の棚に収納することで、省スペースですね。小坊主のようにちょこまかと働いてくれて、これからの仕事に活躍してくれそうです。 (み-)
2008年11月28日
長らくお待たせしました。久しぶりの整理室ブログ「まんよう」です。
9~11月の整理室の様子を紹介したいと思います。
9月の整理室の作業は「三見ほうろく窯跡・ほうろく茶屋跡」整理作業が中心でした。この調査は面積も狭く短期の調査でしたが、予想外に出土遺物が多かったため、整理室のほとんどの作業台を遺物が占拠してしまいました。そこで他の整理も進めながらも、重点的にこの現場の整理作業を進めることになりました。接合する人、石膏を入れる人などに分かれて流れ作業のように進めていきます。最初は出土量に圧倒されていましたが、人数の力ってすごいですね。嵐のような整理作業の日々も過ぎ去り、無事予定していた期間に終わることができました。
これと併行して10月からは現地調査が佳境になってきた「朝田墳墓群」「上り熊遺跡」「東禅寺黒山遺跡」が本格的に作業開始。作業台はみごとこの3現場の三色に染まりました。
11月。まだまだ整理作業は続きます。
ところでみなさんは世界遺産の「石見銀山」にはもう行かれましたか。整理作業の忙しさをしばし忘れて島根に行ってきました。鉱山の坑道を「間歩(まぶ)」と呼びますが、今回歩いた龍源寺間歩は1715年の開発で、内部はノミで掘った跡が当時のまま残っています。ヒンヤリと長く続く坑内。
発掘現場や整理作業で身近に感じていた「歴史」とは、また一味違う「歴史」を想うことができました。 (*ま*)
2008年8月19日
8月になって発掘現場もますます忙しくなってきました。整理室では今日もジグソーパズルのような大量な土器の破片が机の上に広がっています。今年1年目の私はこの土器のパズルに悪戦苦闘する毎日です。
出土遺物は、掘り出された場所や出土年月日などの情報が文字や数字で書かれたビニール袋に入れられ、発掘現場からセンターに持ち込まれます。そこにはSK、SD、SE、SP・・・などの文字。それぞれ出土した遺構の種類を表しているのですが、これが似たような表記ばかりで、私などはよく混乱してしまいます。〈糸〉
2008年6月20日
本日は、センター刊行物(発掘調査報告書と陶けん)の発送のお手伝い。
みんなでわいわい楽しいのでは、と 快くというか、むしろ積極的な参加。
ここ数日で一番の湿度と暑さも手伝って、言葉数は数分で減り、汗を滴らせながら黙々とダンボールを組み立てる、梱包する、確認する、黙々と・・・。
こういった作業は、人数が増えるほどなぜか加速化する。もう会話も聞こえない。
終盤には、すばらしい手際と呼吸のあった、チームが出来上がっていた。
そんな中、作業終了。なにか、スポーツをした後のような、疲労感と達成感が残った。
全国の皆さま、もうすぐお手元へお届け致します。しばしお待ちを(*_*) (そら)
2008年4月25日
4月になって新メンバーも加わり、新たな整理室として作業を開始してから、もう1ヶ月がたとうとしているんですね。早いものです。新たに加わったスタッフの人たちも、ようやくセンターに馴染んできたみたいですよ。思えば私もセンターにきて4年、最初は戸惑うことばかりでしたが、偉大な(?)先輩のご指導のもと、今では仕事内容を教えることも多くなりました。初めて教える側にたって、その難しさと、自分の小ささに気づく毎日です。でも毎日楽しいですよ。
整理室では、ただいま昨年度調査の出土遺物を収蔵室に収納するための整理作業を進めています。また学校からの遺物貸し出し依頼や、出前授業に使用するための遺物を準備する作業も増えてきました。(アキ) ※今回の花「ハナミズキ」
2008年4月21日
このコーナーは、当センターで資料整理作業を行っている私たち整理室のスタッフが、今どのような作業をしているのか、また作業をとおして思ったこと、感じたことなどを(自由に?)書き綴るものです。私たちのブログをとおして、整理室の様子や作業の内容を知っていただけたらと思います。 ※今回の花:エヒメアヤメ