2018年9月19日
山口県埋蔵文化財センターでは、長門市油谷向津具下にある本郷遺跡で発掘調査を実施しています。その成果を地域の皆様に紹介するため、9月8日(土)に現地説明会を開催しました。
説明会では、小雨の中、古墳時代後期の水辺の祭祀跡を公開して、出土しているミニチュア土器の様子をみてもらいました。
遺物展示コーナーでは、古墳時代後期の土師器・須恵器、祭祀に関連するミニチュア土器、平安時代の軒丸瓦・軒平瓦、輸入陶磁器などを見ていただきました。
今回の発掘調査の検出遺構・出土遺物により、本郷遺跡は古墳時代後期の祭祀跡を伴う集落であったことがわかり、瓦の出土から平安時代には付近に寺院のあった地域であることがわかりました。
約50名の方々の参加があり、熱心に説明を聞いていただきました。
今後とも、地域の歴史に興味を持っていただき、遺跡の発掘調査にご理解くださいますよう、よろしくお願いいたします。
発掘現場(祭祀跡)の解説状況
遺物の解説状況
平成30年9月3日(月)、岩国市立美和中学校で出前授業を行いました。
授業は1・2年生合同で、第3時限に「自然との共生から国家の成立まで」と題して考古資料からみた古墳時代までの歴史を解説し、第4時限に発掘調査の実際について説明しました。そして授業の最後には、生徒の皆さんに展示遺物に実際に触れてもらい、質問などに答えました。なお、展示資料は隣接地区にある郷遺跡(岩国市本郷)の出土品を中心に選びました。
最初は恐る恐る展示品に触っていた生徒の皆さんも、全員が縄文土器など各種の遺物にふれ、友だちと感想を話し合っていました。土器の重さや手触りなどを確かめた生徒の皆さんからは、「勾玉の穴はどうやってあけたの」、「提瓶(さげべ)のかたちにはどういう意味があるの」といった質問がありました。また終わりのあいさつでは、代表の生徒さんから「普段見たり触れたりできないものに接して興味深かった」、「発掘調査の裏話が聞けてよかった」といった感想を聞くことができました。
今回の出前授業を通して、生徒の皆さんが地元の歴史を身近に感じてもらえたら幸いです。 (岩崎)