2018年9月19日
山口県埋蔵文化財センターでは、長門市油谷向津具下にある本郷遺跡で発掘調査を実施しています。その成果を地域の皆様に紹介するため、9月8日(土)に現地説明会を開催しました。
説明会では、小雨の中、古墳時代後期の水辺の祭祀跡を公開して、出土しているミニチュア土器の様子をみてもらいました。
遺物展示コーナーでは、古墳時代後期の土師器・須恵器、祭祀に関連するミニチュア土器、平安時代の軒丸瓦・軒平瓦、輸入陶磁器などを見ていただきました。
今回の発掘調査の検出遺構・出土遺物により、本郷遺跡は古墳時代後期の祭祀跡を伴う集落であったことがわかり、瓦の出土から平安時代には付近に寺院のあった地域であることがわかりました。
約50名の方々の参加があり、熱心に説明を聞いていただきました。
今後とも、地域の歴史に興味を持っていただき、遺跡の発掘調査にご理解くださいますよう、よろしくお願いいたします。
発掘現場(祭祀跡)の解説状況
遺物の解説状況
2017年2月13日
山口県埋蔵文化財センターでは、上坂本東大川の砂防ダム設置工事に先立って、防府市牟礼にある阿弥陀寺で発掘調査を行っています。2月4日(土)には、その成果を地域の皆さまに紹介するため、現地説明会を開催しました。心配されていた天候にも恵まれ、約110人という大変多くの皆さまに参加していただきました。
阿弥陀寺は中世の山林寺院で、発掘調査で僧の住まいである僧(そう)坊(ぼう)跡と推定される、基(き)壇(だん)をもつ礎(そ)石(せき)建物のほか、石段や石垣、門の礎石、池状遺構がみつかりました。説明会では、石段から門を通って建物に至るという順路で説明しました。石段を上るとみえてくる石積みの基壇に、参加者の皆さまは一様に驚いておられるようすでした。
最後は、建物のさらに上の方から、遺跡全体と防府平野を一望していただきました。参加者の皆さまには、なぜ阿弥陀寺がこのような山の中腹に建てられたのだろうか、当時の防府平野はどのようにみえたのだろうかなど、いろいろと想像をふくらませていただけたことと思います。
この度の発掘調査は2月で終了しますが、県内でも著名な阿弥陀寺で、詳細の不明であった僧坊の1つがみつかったことで、地域の歴史に新たな1ページが加わることと期待しています。